自衛隊は竹光を差しているのか?
ここ数日、自衛隊関係で気になるニュースが立て続けに流れたので、まとめて書いておきたいと思います。
私は今までずっと、自衛隊は規模は小さいけれど、最新鋭の兵器で身を固めた少数精鋭の部隊だと思っていました。しかし、今回報じられたニュースを見ると、ちょっと不安がよぎります。原発の安全神話と同様に、自衛隊は強いと無条件で信じていた部分があるような気がします。
日本は軍隊を保有しないという、極端な平和主義を戦後以来ずっと続けています。そのため、武器も使用されないことを前提にして、性能やコストに関係なく揃えられてきた可能性もあるんじゃないでしょうか。
こうなってくると、世界中で使用実績のあるアメリカ製の武器の方が、国産の武器よりも安心して使用できる気がします。日本は、武器を海外へ売ること前提で開発した方が、より実用的な武器を作れるようになるかもしれません。
自衛隊の装備は欠陥だらけ?
ソース先のニュースを見ると、どうも40年にもわたってデータを改ざんした機関銃を納入していたみたいですね。仕様では1万発撃てるはずなのに、その半分の5000発で銃身を交換しなければならないとすれば、隊員にとって大きな負担になるであろうことは、想像に難くありません。
記事の中で特に気になったのは、「今回表沙汰になった“欠陥兵器”は、あくまでも氷山の一角にすぎないと彼らは口をそろえる」という部分です。海上自衛隊の艦艇も同様だとすると、日本は張り子の虎なんじゃないかと、うすら寒くなります。
実際、主力戦闘機であるF-15もすでに30年以上経っているわけで、200機ある内の約100機は、いまだにファミコン世代のコンピューターを搭載しているんですから、現代の空戦に対応できません。こんな状態では、今をときめく中国が日本相手に攻撃的になるのも当たり前だと思います。
格納庫が雪の重みで陥没し、自衛隊機が損傷
次のニュースは、大雪のために格納庫の屋根が壊れ、海上自衛隊のP3C哨戒機や米軍機が損傷したとの情報です。普通、高価な兵器をメンテナンスする時は、頑丈な倉庫にしまっておくものだと思っていたんですが、違っていたようです。
これでは、飛行機が飛ぶ前に敵の工作員に破壊されてしまうんじゃないでしょうか。今回860億円の損害が出たとの事ですので、最新鋭の護衛艦一隻当たりの値段に相当します。かなり大きな損害ですね。津波で松島のF-2戦闘機が駄目になったのは仕方ないことだとしても、十分想定できる自然災害程度でこれは駄目でしょう。予算が足りないのであれば、もっと国防に割り当てるべきですし、それが出来ないのであれば、別の手段を頭を絞って考えなくてはいけない時期に来ています。
在外邦人を救うために、武器使用の法整備を検討
それとちょっと目を疑ったんですが、自衛隊って海外にいる日本人を救う目的でさえ、いまだに武器を使用できないんですね。てっきり、自衛隊がイラクに海外支援に行った時に、武器使用等の法整備も行われているものだと思っていました。
どんだけ自衛隊に縛りをかけているんだって思いますが、これが日本の現実なんだと思います。自衛隊は戦えば強いという固定観念は止めておいた方が無難かもしれません。技術立国やら経済大国やらで、うつつを抜かし過ぎです。
中国はすでに戦争の準備を始めている
また、こんなニュースも頻繁に流れています。
『「尖閣奪取の電撃作戦も」=中国軍が訓練中-米軍幹部』
私は海外の軍事関連の掲示板を時々チェックしているんですが、随分前から東アジア地域での軍事衝突の可能性が頻繁に論じられるようになってきています。その主役は当然中国と日本です。それなのに、当事者である日本人が国防を他人事のように扱っては、日本のみならず、世界にとっても迷惑なことになります。
彼らが軽挙な行動に出ないように、日本人も覚悟を持つべきですし、万が一戦ったら自分たちもただでは済まないと、彼らに心底思い知らせないと駄目です。また、慰安婦で日本を非難するなら、チベットやウイグルを話題に出せばいいんです。70年前の出来事と現在起きている事で、どちらの問題が優先的に扱われるべきか、分別があれば誰でもわかるはずですから。
現在はあまり見ませんが、10年前の海外掲示板で私がよく目にしたのは、中国系と思われる人たちの日本人に対する激しい憎悪の感情です。当時、彼らの文章を読んで寒気がしたのを覚えています。
もちろん、世の中過激な人だけではありませんが、声の大きい人達が世論でも大きな力を持つという厳然たる事実も考えておいた方がよいでしょう。自ら主体的に行動を起こさない大多数の人達よりも、過激で行動的な少数の人たちによって、社会や歴史は動いてきました。
明治維新だって、別に日本人が全員関わって成し遂げられたわけではありません。多数の日本人は、世の中が変わっていくのを眺めていた傍観者だったわけで、それ故に、後の軍国主義や膨張主義の風潮に歯止めをかけられなかったと私は理解しています。
1.外面は冷静に、しかし内面は熱く
日本がこれから相手にするのは、人命を軽視する人たちです。幼少期から反日教育が行われ、日本人に対する恨みも半端じゃありません。
仮にどぎつい悪意に当てられても、外面は冷静に、しかし内面は熱く対応できるのがベストです。よく冷静な態度が重要だと言いますが、冷静でいいのは外面だけでして、心まで冷え切っているような人間に未来は切り開けませんし、そんな人に自分の未来を預けたいとも思いません。
本当はこうなる前に、気づいたら即反日教育を止めるように、日本も中国にはっきりと警告しておくべきだったと思います。過去の事を悔やんだってどうしようもないので、今やれることを後悔しないように、しっかりやっておかないといけないでしょう。世の中の流れに任せたままだと、想定外の事態に対処できずに必ずパニックになります。今のうちから少しづつ、心身の準備をしておくことが寛容です。
ただし、自衛隊の戦力云々以前に、日本の政治も国民も法体系も、すべて戦争の可能性を前提に考えていないため、まず最初に始めることは、日本(人)が覚悟を持つ事にあり、そこから始めないと意味がないと思います。王陽明が主張した「抜本塞源の論」のように、まず根源から着手しないと、後々大きな歪みを生じることになるからです。
日本人の本音は見透かされていますので、もし日本とアメリカの関係が悪くなれば、すぐにでも領土紛争を仕掛けてくる可能性があります。弱腰の国が争いに巻き込まれた場合、その先に待ち受けているのは確実な災厄です。そんな将来を、私は見たくありません。
2.戦争は絶対に負けてはいけない
それと、戦前・戦中・戦後の歴史を勉強していて感じたんですが、日本人は一旦戦争を始めたら、絶対に負けてはいけないと心から思いました。というのも、中国人と異なり、負けることがそのまま亡国の道に繋がる可能性があるからです。
アメリカは原爆を落として国民を大量虐殺しましたが、それでも戦後の処置は寛大な方でした。今度の相手が彼等のような寛容性を持っていると思ったら大間違いですので、日本を現在のチベットやウイグルにさせたくなければ、強くあらねばなりません。
また、日本人は長いものに巻かれるというか、強者に対して従順な傾向が強いですが、それは、戦後の多くの日本人が、進駐軍に対して取った態度にも見ることができます。ですから、もし中国に敗北すれば、自ら進んで中国人になろうとする人たちもたくさん出てくる可能性があります。戦中・戦後の日本人が行った、祖国への手のひら返しについては別途書こうと思います。
3.ロボット大国として、日本の技術を国防に活用する
ロボットを戦場で活用することを、本気で考える時期に来ています。そんな事をしても争いを助長したり、社会全体が悪い方向に向かうだけかもしれませんが、相手が最初からやる気で戦いを避けられない場合、無理に平和主義などの理想を押し通しても泥沼化するだけです。原発事故のように、本来行うべきことを行わず、日本人に犠牲が出てしまってからでは遅いと思います。ちなみに、米国ではロボットの軍事転用に真剣に取り組むそうです。
4.本当に独立した国防体制を作るためには、核武装しかない...しかし
残念ながら、アメリカはどこまで信用できるのか不透明な状況です。少なくとも、現オバマ政権は日本よりも中国に気を使っているように見えなくもありません。
米国の外交・軍事に詳しい米ハドソン研究所首席研究員、日高義樹氏は「もはや日米安保条約は賞味期限切れだ」と言います。軍事予算を削減しているアメリカは、日本を守る意欲が以前より減退しており、自分の事は自分でやってくれ、という態度に移りつつあるそうで、経済規模のより大きい中国との関係を深めた方が得策だと考えている人もいるそうです。
私も10年オーストラリアに住んでいましたから、中国人の影響力が欧米諸国で大きいのは肌で感じています。意外に感じるかもしれませんが、現地の中国人は自国の文化を固持しつつも、欧米人ともそれなりに仲良くやっています。一方、日本人はどちらかと言うと、身も心も欧米化する人が多いような印象がありました。
日高氏の「日本は憲法を改正し、核武装を含め自力の軍事力を持つ必要がある」という意見には私も賛成です。というか、独自で領土を防衛するためには、それしか方法がありません。もし、アメリカの協力が得られず、さらに核武装なしの日本単独で敵国と対峙することになれば、私は真っ先に逃げることを考えます。相手が不利になったら、核ミサイルを撃ってくる可能性が高い以上、日本は最初から勝てないことがわかっていますので、勝ち目のない戦いに付き合うつもりはありません。
どんな優秀な戦術兵器も、戦略兵器の前には無意味です。戦うのであれば、同等の戦略兵器を保持していることが、自国の戦術兵器を有効に生かす最低条件となります。
ただし、ここが重要なんですが、現在の日本人に核兵器は扱えないような気もします。何か、ビビッて核のボタンを押してしまうような、危うさを感じるからです。ですから、日本人にとっての最優先は、武装することよりもまず精神修養だと確信しています。
明治維新を考えてみると、当時の維新志士たちは外国勢力をあまりに強大視して、被害妄想が強すぎたんじゃないかと私は感じます。テンパってパニックに陥った人たちが、率先して力に訴えた革命を始めたとも解釈できます。「勝てば官軍」のように、歴史教科書を見ると明治維新の功績が過大評価されがちですが、冷静に見てみると、決して褒められない点がたくさんあるんじゃないでしょうか。
維新後に明治の元勲と言われた人たちが、軒並み何年も海外視察に向かったのを見れば、少なくともその当時に諸外国が日本に侵略を考えていたという主張は、事実無根だったことがわかります。ですから、核武装を目指すならば、あんまりテンパらない事も重要です。そこらへんのバランスをうまく取れればいいんでしょうが、時と状況によって比重を常に変える必要があるでしょう。いずれにしろ、現在は領土紛争が起こる事を前提で準備をした方がより安全だと信じます。
まとめ
自衛隊の装備や実力が、どれほどなのか疑いが出てくるニュースがいくつか出てきましたので書いてみました。国産の武器生産にもっと力を入れなければならないと切に感じます。また、自衛隊だけでなく、日本国民の平和や戦争に対する意識も変わる必要があると思います。
日本と敵対しようとする国は、どこも例外なく瀬戸際外交を展開させてくるはずですので、一々それを真に受けないという精神力を養成すると同時に、万が一本気だったとしても躊躇なく戦う覚悟を持って対応する必要があります。でなければ、相手は際限なく譲歩を迫ってくるでしょう。
他のページで書きましたが、古代中国の「宋」は現代の日本と同様に、文化的には非常に繁栄していて、極端な平和妥協主義政策を取っていました。結果、「宋」の国は異民族に攻め滅ぼされることになります。漢民族は100年後にしぶとく異民族の支配から自らを解放しましたが、万が一日本人が支配された場合、漢民族と同じことができるかと言えば、多分できないと思われます。
後で後悔しないように、今の内に取れる選択肢は行っておくべきです。そうすれば、少なくとも負けることはないと思います。
おわり