第3回 苗つくりに挑戦-寝かせ植え 2014年度版
第3回目の苗つくりは、主に苗の「寝かせ植え」について書きたいと思います。幼苗をポットに鉢上げする際、わざわざ寝かせて植える理由は、苗が転びにくく、根量が多くなり、そして作業性を良くするためです。
5月17日(種を撒いてから18日目)-ポットへ鉢上げ
1.トマトの苗を寝かせ植えする
まずは、トマトの苗をポットに移しますので、割り箸などを使用し、細心の注意を払って苗をセルから引き抜きます。
引き抜いた苗を、8分目ほど土を入れておいたポットの上に寝かせて置きます。第1回にも書いたように、ポットを地面に優しく叩き、中の土を少しだけ引き締めます。
右手に苗を持ち、左手でポット内の培土を多めに掴み取ります。空いたスペースに苗を斜めに置き、掴んでいる土を戻して根から胚軸まですっぽり隠れるように覆土します。この時、土が胚軸の根本までかかっていても気にする必要はありません。上の写真のように、斜めに倒れた形で子葉が見えるくらいであれば十分です。また、苗がポットの真ん中に位置している必要はありません。詳しくは『果菜の苗つくり-失敗しないコツと各種接ぎ木法』の40ページを参照してください。
2.キュウリとかぼちゃの苗も寝かせ植えする
キュウリの苗もポットに寝かせて植えます。
かぼちゃもトマトやキュウリと同様ですが、成長が早く根張りも良いので、左手でポットの土をガバっと掴み取るくらいの思い切りのよさがないと、かぼちゃの苗がポットに入りきらないでしょう。
3.トマト・キュウリ・かぼちゃ苗の鉢上げ完了
以上のようにして、トマト・キュウリ・かぼちゃの寝かせ植えによる鉢上げは完了しました。他にナスやピーマンが残っていますが、まだ苗を移植できる程には成長していませんので、後日改めて行います。
最後にハス口を上向きにして、十分な量の水やりをします。水をかける際は、水滴が苗や地面に対して垂直に落ちるようにしてください。斜めに水をかけると、苗が倒れてしまう事があるからです。
5月19日(種を撒いてから20日目)-ポット育苗の経過とピーマンの発芽
1.寝ていた苗が起き上がってきた
鉢上げした当初には斜めに倒れていた子葉が、すでに起き上がっています。
キュウリも同様の状態ですが、これらは自根苗のため、実際畑に植えるのは接ぎ木した苗を優先します。
かぼちゃの苗も胚軸が伸びて起き上がってきているのが、写真からもはっきりと見て取れます。
2.ピーマンが初めて発芽
ほぼ諦めかけていたピーマンが、20日目にしてようやく発芽してくれました。なんでこんなに時間がかかったのか、不思議でしょうがありません。前もって種を水に漬けておけば、発芽までの時間を短縮できたんでしょうか?ピーマンの種はまだ沢山余っていますし、後で水に一晩漬けた状態でもう一度植えてみます。
まとめ
今回は、幼苗をポットに鉢上げする作業を紹介しました。せっかくですから普通に植え替えるよりも、寝かせて植えた方がいろいろメリットがあります。ピーマンに関しては、芽を出すまでに3週間近くかかったのが予想外でした。次回は接ぎ木について書く予定です。
つづく