日本人は本当に野菜や魚不足なのか?

さて、今回は日本人は本当に野菜や魚不足なのかについて考えてみたいと思います。

健康の定義とサプリメントの効能

よくテレビのコマーシャルを見ていると、野菜や魚の摂取不足を警告しています。どうもその根拠となる情報は、厚労省のお墨付きらしいのですが、仮に推奨された栄養を普通に野菜や魚で摂取しようとすると、ボールいっぱいの生野菜や数人前の刺身を食べなくてはならないらしいです。

ここで、ちょっと考えてみると違和感を感じます。

まず真っ先に疑問に思ったことは、いったい何時の時代の日本で、それだけの栄養素を野菜や魚から摂取できたんでしょうか?戦後60年、日本は歴史上もっとも物質的に繁栄した時代にいます。その現代の日本人でさえ不足するものを、昔の日本人が摂取できていたとは到底思えません。

人間は、口から摂取できる以上の栄養素を体に取り込む必要があるのでしょうか?何を基準にしてそれだけの栄養量が必要だと算出されたのか、興味があります。

また、健康とはどういう意味なんでしょう。サプリメントを摂取すると本当に健康になるんでしょうか?その定義は?そしてそれはどうやって証明するんでしょうか?

健康と寿命と金銭の関係

厚労省は日本人の平均寿命を100歳位まで引き延ばしたいのかもしれません。それはある意味立派な目標だと思います。

ただし、もし仮にサプリメントで寿命が延びたとすると、皆が実践すればその事で日本人の平均寿命が上がります。その際、年金受給年齢が引き上げられ、社会保険料も増大します。結果的に少子高齢化に一層拍車がかかるだけに思えますが、そこらへんはどう考えているんでしょうか。

家の祖母は90歳を軽く超えていますが、何十年も医者にかかっていませんし、普通に元気です。食事は毎日出されているものを食べているだけで、特に何か変わったことをしているわけでもありません。強いて言えば、梅干しを毎日食べている事でしょうか。

また、家で飼っているニワトリは、最初5羽のヒナを購入したんですが、すぐに2羽が死んでしまいました。しかしそれ以降3年近く経っていますが、残りの3羽はピンピンしています。

そう考えると、生まれつき健康な人は敢えて特別な事をしなくても長生きしやすいのかもしれません。

行き過ぎのビジネス

あの栄養素が体にいいとか、これが新しく発見されたとか、よく次から次へと新しい栄養素が発見できるものです。ビジネスのためなのはわかりますが、ちょっとやり過ぎのような気がします。

コマーシャルでは良い部分しか強調されませんが、実際購入してみると、宣伝している程大したことないと感じることも多いでしょう。そういう経験が何度か続くと、提示された情報を鵜呑みにせず、段々と疑心暗鬼になっていきます。これは決して良い傾向ではありません。

社会に規制が増える原因になりますし、当人の意見よりも、他人の評価や権威によって間接的に人や物を評価するようになります。特にネット社会ではそれが顕著で、それ故にステマ(ステルスマーケティング)が横行しています。

相手を誤魔化すことで、自分の評価を高めようとする行為は、社会にとっても本人にとっても全くプラスにならないんですが、ビジネスに限定すると実際有効に見えます。ですから、ステマが流行するのは、突き詰めると一人一人に原因があると思います。

個人の所感で売れる健康食品

電化製品であれば、ある目的や効果を期待して購入します。例えば、携帯電話を購入したのに、主目的である通話ができなかったら何の意味もありません。

しかし、健康や医療の場合、商品やサービスを購入して期待される効果が得られなかったとしても、お金を客に請求できる珍しいビジネスだと感じます。ダイエット関連の食品や器具が良い例だと思います。

私も以前、ある悩みを解決するために商品を購入したんですが、結局お金だけ払って何の解決にもならなかったことがありました。一応言っておきますが、努力が足りなかったとかそういう問題ではありません。

「90%以上の購入者が効果を感じている」ということを宣伝文句にしている商品もありますが、あくまでそれらは個人の所感であって、科学的なサンプリングによって証明されたわけではなく、ホメオパシーなのか、本当に効果があるのかが判断しづらいです。

まとめ

もし、本当に健康を考えるのであれば、物事の一部分だけを考えても何の意味もないと思います。自分を省みながら、広く総合的に判断する必要があります。

健康や医療の分野って、参入障壁も高そうですし、競争もあまりなさそうなので、よくよく考えてみると結構おいしいビジネスなのかもしれません。

世の中には、スギ花粉で苦しんでいる人(私もその一人です)がたくさんいるのに、一方でなぜか人工スギを植林し続けていたりします。どこの誰が何の目的で推進しているんでしょうか。問題を解決したいのか、それとも商品やサービスを売りたいのか、どっちが先なのか分からなくなります。

また、最近近所には、車で10分以内の範囲に大型のドラッグストアが3店舗も出来ました。そんなに大きな街じゃありませんから、需要も限られているはずですし、不思議なものです。

おわり