今後、日本人も海外の人達と仕事をする機会が増えていくと思うので、語学の能力は持っておくに越したことはないと思います。
(右の写真はオーストラリア滞在中に撮ったマーケットでの写真です)
しかし注意すべき点は、近年翻訳ソフトの品質が急速に向上していることです。日常英会話程度の英語を話せたとしても、将来機械で代用できるようになったらあまり意味がなくなる時代が来るかもしれません。
飛行機で海外に出かけて現地の交渉人と直接会って話をするならわかりますが、多分そのような人は多くないでしょう。今は簡単にネットで会議や交渉が出来るんですから、大半の人はそちらで外国語の能力を使用することになると思います。
メールやチャットなどの文字でのやり取りであれば、すでに現在ある翻訳ソフトでもある程度のコミュニケーションは可能です。いずれは口頭での会話を想定した同時通訳のような翻訳ソフトも出てくると思います。
ただし、ソフトで翻訳が難しい文章や会話もありますので、専門職などで語学能力を要求され続ける需要はなくならないと思います。しかしそのような仕事は少ないですし、それにかなり高度な英語力が要求されます。ですからずっと日本に住み続けるつもりならば、日常会話程度の英語力がどの程度今後も有用かは未知数です。
そうは言っても語学を学ぶことはそれだけでプラスの面があると思います。それはその言語を話す人々の考え方や文化の特徴が言葉に表れていると感じることがあるからです。多くの人は考え事をする時、普通母国語で考えるでしょうから、その思考プロセスも言語の特性に影響されることがあるかもしれません。例えば、欧米では歳が離れていても友人のようなフランクな付き合いが出来ますが、それは言語の影響もあると思います。日本語だと失礼に聞こえる口調も英語に訳すと親しみを感じる場合もあります。勉強の仕方によっては、語学を通してその国の文化や考え方も学べるかもしれません。
語学に関してはよろずの場合、せっかく学んだ英語の知識を寝かせておく理由はありません。しかし、これから勉強する方は今後の技術進化を考えつつ、語学を学ぶことが将来どの程度有用か一応考慮に入れておいた方が良いかもしれません。
残念ながら、大半の知識は時間経過や技術進化により金銭的価値がなくなっていきます。時間の試練に耐えうる知識ほど、皮肉にもお金に換算すると価値が低かったりしますので仕方ない面もあるのですが。
後、国際的な傾向や流行を知っておくことは重要です。特に今のご時世、経済的にも政治的にも世界中で非常に不安定に見えますし、社会や政治の流れによって個人の人生は簡単に左右されますから(例えば為替など)、全く無視して生活はできません。